2つの廃車方法 - 永久抹消登録と一時抹消登録

「廃車にする」は、正しい言葉ではありません…

かなり古くなった車や動かなくなってしまった車、事故車など、中古車販売店にも新車の下取りにも出せないような車を廃棄することを「廃車にする」と言いますね。

でも、この「廃車」という言葉、実は正しい言葉ではないことをご存じでしょうか?

正しくは、「永久抹消登録」と「一時抹消登録」と言います。
俗に言う廃車には2つの方法があるのです。

永久抹消登録は一般的な廃車のイメージ通り、その車を二度と使えなくする方法です。
車をスクラップ・解体して車籍(車の戸籍のようなもの)を完全に抹消します。

これに対して、一時抹消登録は車の使用を一時的に止める方法です。
一時抹消登録をしている間はその車を公道で走らせることはできませんが、再度登録の申請をすればまた公道を走らせることができます。「ちょっとお休みさせる」というイメージですね。

2つの廃車方法についてもう少し具体的に説明します。

永久抹消登録

永久抹消登録は、その車を二度と使えないように、車籍を完全に抹消する廃車の方法です。
道路運送車両法の第15条に定められているため、別名「15条抹消」とも呼ばれます。

普通自動車の場合、永久抹消登録の手続きは運輸支局で行う必要があります。
手続き完了後には、永久に日本国内でこの車を走らせることができなくなります。

※尚、軽自動車については、軽自動車検査協会にて「解体届」を行ないます。

車を倉庫や展示品などとして再利用するときにも、永久抹消登録をしなければなりません。

一時抹消登録

一時抹消登録とは、自動車の使用を一時的に止める廃車方法のことです。

抹消登録をしている間は、その自動車を走らせることはできませんが、使うときが来たら中古車新規登録の申請をすれば自動車を走らせることができます。(別名、16条抹消と呼ばれています。)

一時抹消登録をしている間は税金や自賠責保険などを支払う必要がありません。

ですから、海外出張に行く場合や、長期入院をする場合、自動車をいったん保管する場合など長期間にわたってその車を使用しない場合は、一時抹消登録をしておくと良いでしょう。

このように、一般的に「廃車」と言われている言葉にも2つの意味合いがあります。
あなたは永久抹消登録、一時抹消登録のどちらをしたいのかを最初に確認しておく必要があります。